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会報Vol.33

五七句会会報通巻33号/2018年/3月発行
日時=平成29年3月17日/場所=恵比寿のレンタルスペース
幹事=五七
出席者=温爺、ゼルダ、タケシ、ねりり、かわうそ、文鳥、久木、鬼八、五七
兼題=桜鯛、春の宵
席題=残雪、お祝いの句(春季)

春三月の句会は、かわうそさんのご結婚の報告とお祝いを兼ねて開催しました。
お祝いの句(春季)の句は、作者が短冊にしたため、かわうそさんにプレゼント。
かわうそさんのご結婚に至る、そして結婚後のあれやこれやの話で盛り上がりながら、秀句が数多く生まれました。

個人成績
天 温爺  20点
地 文鳥  19点
人 ねりり 13点

 ■桜鯛
 漁り火の海に眠るか桜鯛       (久木)
 塩釜を脱皮するごと桜鯛       (かわうそ)
 娘とは奪わるるもの桜鯛       (タケシ)
 桜鯛退職の父帰宅せず        (ゼルダ)
 ホモとして生きると決めて桜鯛    (温爺)
 婿養子にいちばん大き桜鯛      (ねりり)
 暮れ残る水軍の島桜鯛        (文鳥)
 荒波の苦労語らず桜鯛        (鬼八)
 分家には分家の意気地桜鯛      (五七)
 
 ■春の宵
 縛ってとロープ差し出す春の宵    (温爺)
 父の背に追う一つ星春の宵      (久木)
 春宵のふたりあはせて嘘いくつ    (五七)
 春の宵角を曲がればラブホテル    (ゼルダ)
 奪おうかやめておこうか春の宵    (タケシ)
 路地路地の気配に満ちて春の宵    (かわうそ)
 くちびるはやはらかきもの春の宵   (ねりり)
 子ははしゃぎ父は息切れ春の宵    (鬼八)
 新しき箸置き三つ春の宵       (文鳥)

 ■残雪
 雪残る野に淡き影熱気球       (久木)
 玄関に残雪ありて蕎麦の宿      (かわうそ)
 介護とは手の荒るること残る雪    (タケシ)
 残雪や辛子れんこん品切れる     (ねりり)
 残雪や家を出る子に持たす味噌    (文鳥)
 雪残るロシアに足跡秋田犬      (鬼八)
 世界史は米ソ冷戦雪残る       (五七)
 残雪やじわじわきてる人生が     (ゼルダ)
 雪残る人の気持ちを置き去りに    (温爺)

■お祝いの句
 春が来た天の声までビバルディ    (ゼルダ)
 祝宴の客を迎えて春深し       (久木)
 恋叶う満月のロゼ桜鯛        (タケシ)
 うららかに二人暮らしになじみをり  (ねりり)
 それぞれの本読んでおり春炬燵    (文鳥)
 たんぽぽと放任主義の風春をゆく   (鬼八)
 永き日や佳き日やロゼで乾杯す    (かわうそ)
 膝枕馴染みて桜満開に        (五七)
 早春やかわいいうそをつきましょう  (温爺)

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というわけで、次回は夏に涼しいところで吟行もいいかもしれませんね。
それまでみなさま、ご健吟を。



 


# by go-shichi | 2018-04-01 18:03 | 会報  

会報Vol.32

五七句会会報通巻32号/2017年/12月発行
日時=平成28年12月2日/場所=四谷三丁目のレンタルスペース
幹事=五七
出席者=孝多、矢多、温爺、家鴨、ゼルダ、タケシ、華松、みつきんぐ、ねりり、七子、あちゃ、文鳥、久木、五七、かわうそ(欠席投句)
兼題=枯芝、空風、鯛焼
席題=障子、自由(冬季)

恒例の忘年紅白句会。兼題3句、席題2句の拡大バージョンで紅組、白組が激突しました。
3点句1句、2点句2句、1点句5句の選。
男性6、女性8(欠席投句+3句)の調整のためのハンデは白組に33点(13×2+13×3/5)。

そして結果は、
白組116点(ネット83+ハンデ33)vs紅組82点で白組勝利!
通算成績は紅組の3勝、白組の2勝となりました。
みなさまお疲れさまでした。

個人成績
天:孝多 21点
地:五七 20点
人:家鴨 15点

枯芝に楕円のボールぽつねんと    (温爺)
空風が呼んで来たるは焼芋屋     (家鴨)
鯛焼き喰うアタマから否シッポから  (孝多)
街の火事一被写体として撮らる    (3点 五七)
空風に薪窯ごおっといきり立つ    (3点 七子)
妖精を語る老女や白障子       (7点 ねりり)
火ぃ貸してくれへんかワレ着ぶくれて (タケシ)
千秋楽見る祖母の背の白障子     (文鳥)
卓上の黴た鯛焼喪服脱ぐ       (8点 家鴨)
ザックザク白菜を切る怒り肩     (3点 家鴨)
念のため鯛焼ふたつ男飯       (1点 文鳥)
遊具飛び障子破れてごめんなさい   (あちゃ)
目で笑う二人は鯛焼き頬張って    (孝多)
競技用義足のしなり空つ風      (6点 五七)
暖炉燃ゆ原始の脳を呼び覚まし    (七子)
冬の海自由を求め漁に出る      (あちゃ)
枯芝に打ち捨てられしテディベア   (1点 七子)
老女らがラジオ体操芝枯れる     (2点 家鴨)
空風に鼻歌歌う空元気        (1点 かわうそ)
差し入れの鯛焼抱え昼のママ     (ねりり)
金色の飛火野に立つ空っ風      (1点 文鳥)
十三夜障子に映る影二つ       (久木)
鯛焼や鎌倉を出なくてよい日には   (1点 矢多)
マフラーにすっぴん埋める除夜詣   (3点 みつきんぐ)
いつのやら祖母の棚から障子紙    (2点 家鴨)
解体を人に用ひて芝枯れる      (3点 華松)
指先にささくれ1つ芝枯れる     (4点 あちゃ)
妹に新婚浮かれ吾に冬        (ねりり)
空っ風電柱はみな無口なり      (7点 矢多)
遠い日の障子貫く男あり       (1点 温爺)
空っ風耳鼻科は今日も三分診療    (みつきんぐ)
春近し疎林に風の宴かな       (久木)
空っ風孤独なんだよ八つ当たり    (2点 孝多)
ひとりごと言いつつ閉める障子かな  (11点 孝多)
オスメスがあるのか鯛焼き汗ばんで  (1点 みつきんぐ)
指なめて星を数える障子穴      (華松)
空風にゴミ虫のよな鳥の群れ     (3点 あちゃ)
障子だけがあの夜のことを知っている (矢多)
傍らに鯛焼き据えてみすずの詩    (1点 温爺)
冬の虹老々介護の影二つ       (2点 文鳥)
下手に触ると火傷する鯛焼だぜ    (2点 五七)
冬の雪おねがいその手を離さないで  (矢多)
鯛焼きの袋の汗の芳しき       (4点 かわうそ)
空っ風黄金千両撒き散らし      (5点 華松)
ポストまで五〇歩ほどの芝枯れる   (1点 タケシ)
思い出は思い出のまま芝枯れる    (8点 孝多)
鯛焼きよ私の腸苦々し        (1点 華松)
枯芝の匂ひの中で爪を切る      (6点 矢多)
鯛焼やシリウスの青見失ふ      (4点 タケシ)
君はもう来なくてけっこうクリスマス (2点 ゼルダ)
好きなのは皮としっぽよ鯛焼きは   (1点 あちゃ)
ひび割れの窓に空風豆を煮る     (1点 久木)
空風や不惑もとうに過ぎた恋     (1点 ねりり)
空風や獣になってしまいたし     (6点 タケシ)
枯芝やインスタ映えするパンツ買う  (みつきんぐ)
今ならば許せたはずのクリスマス   (華松)
芝枯れて廃寺の礎石黒々と      (5点 久木)
空風でリビングに溜まる眠気かな   (ゼルダ)
障子ごし気配を殺す逢引よ      (七子)
枯芝に二人と一匹何を見る      (文鳥)
障子あけすべてを知つてしまひけり  (4点 五七)
白障子こころにもある袋とじ     (1点 タケシ)
パート出る初給金の鯛焼よ      (七子)
朝ドラがまたつまらない芝枯れる   (5点 ゼルダ)
昼の月鯛焼半個もて余す       (3点 久木)
鯛焼きがあちくてヘーホンホヘホハイ (2点 ゼルダ)
障子貼る父の背中に活気あり     (4点 ゼルダ)
空つ風金でも飛んで来ないかな    (3点 温爺)
枯芝やかつて多情でありしこと    (3点 ねりり)
枯芝の舞台主役は未来の子      (2点 かわうそ)
家を出たあの日のままに障子穴    (7点 ミツキング)
枯芝を背中に髪に父戻る       (5点 五七)
着ぶくれて胸のうすさを嘆きけり   (温爺)



# by go-shichi | 2017-12-04 01:42 | 会報  

会報Vol.30

五七句会会報通巻30号/2017年/4月発行
日時=平成27年12月26日/場所=渋谷の会議スペース
幹事=五七
出席者=香魚、菊森、ゼルダ、タケシ、かわうそ、華松、みつきんぐ、風歌、琴玉、家鴨
兼題=春昼

天:五七(28点)
地:華松(22点)
人:かわうそ(21点)

久しぶりの吟行は等々力渓谷。桜の時期は過ぎていましたが、なかなかの人出でした。家族連れ、犬の散歩、デートのカップルの中で、さてどんな句ができたでしょうか。

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我に似る一足遅れて八重桜     (華松)
誂えし眼鏡に葉桜ラテン咲き    (琴玉)
シャボン玉余所様の子も走らせる  (五七)
光連れしゃんりしゃなりと春の水  (華松)
パセリカレーほろ苦くもあり春の昼 (家鴨)
店頭に肉汁の文字風光る      (五七)
春昼の等々力の瀧とどろかす    (タケシ)
春の昼中高一貫校の庭       (風歌)
春の昼人に頼まないことにする   (香魚)
春の昼三線を弾く娘の長睫毛    (かわうそ)
掃除夫が桜集めて谷の昼      (香魚)
山吹やうんちと2回子が叫ぶ    (香魚)
通過駅骨を抱く女(ひと)花仰ぐ  (みつきんぐ)
春はやて円満退社する方法     (香魚)
木はいいな両手いっぱい春を愛で  (ゼルダ)
絡まるる絵馬の字甘し花疲れ    (久美)
風情なしわびをいれるか末期の葉桜 (家鴨)
せせらぎを聞けば尿意や春の園   (タケシ)
春昼や納骨の儀はつつがなく    (みつきんぐ)
境内の朱色白々し東京の春     (琴玉)
モンシロチョウ迷う環状八号線   (風歌)
仰ぐしかないから仰ぐ孟宗竹    (風歌)
愛でるではなくおゆずりします花三百円(家鴨)
老い猫の目やにも浮かぶ花筏    (久美)
恋をすべし葉桜にまだ蕾あり    (五七)
みおろせば営みばかり飛花落花   (久美)
何を祈る?若人の信心春地蔵    (琴玉)
春暑し貴人のように皆歩き     (かわうそ)
渓谷に満ちるカップルの違和感   (ゼルダ)
二礼二拍初蝶の来て一礼す     (五七)
渓谷へ男を一人棄てて春      (タケシ)
春昼やsuicaで買える供物あり   (久美)
あの雲に乗せてやりたや花嵐    (華松)
腹立たし世田谷の新緑レベル高し  (琴玉)
渓谷を喪服の一味そぞろ行く    (みつきんぐ)
春風や鬼瓦にも笑顔かな      (かわうそ)
春の昼ネコのあくびをもらい受け  (ゼルダ)
春深しもしもわたしに句が詠めたらな(みつきんぐ)
春霞断崖に立つ十字架(クルス)かな(かわうそ)
八重桜人犬人のおどろき渓谷    (家鴨)
春の蚊のことにしつこいのが一つ  (タケシ)
松のみどり清潔になった気がした  (ゼルダ)
人に飽く蛇苺這う地を低く     (風歌)

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# by go-shichi | 2017-04-16 17:00 | 会報  

会報Vol.29

五七句会会報通巻28号/2016年/12月発行
日時=平成27年12月26日/場所=NATULUCK赤坂
幹事=五七
出席者=孝多、矢太、タケシ、風歌、三三、家鴨、ミツキング、かわうそ、ねりり、西音寺、あちゃ、華松、五七

白組:95点(補正+14点)
紅組:101点
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1人少ない白組が14点のハンデを持ち、スタート。中盤で紅組が追いつき、その後は白熱の大接戦。最後の最後に紅組が突き放し、昨年の雪辱を果たしました。紅組おめでとう!

天:風歌&矢太(22点)
地:ネリリ(21点)
人:かわうそ(18点)

秋の句会に続いて柳家三三師匠が参加してくださいました。

■冬夕焼(兼題)
去り際の冬夕焼に囚わるる     ねりり(6)
帰る子ら足早なこと冬茜      三三(1)
冬夕焼鳥居黒々地から生え     かわうそ(6)
冬茜二人ぼっちの二人かな     孝多(2)
寒茜この静寂の大音声       五七(10)
地下鉄を昇れば四角い冬茜     矢太(7)
冬夕焼け整然として車椅子     風歌(9)
校庭に揺れるスコート冬茜     西音寺
冬茜朝の茶殻に湯をさして     ミツキング(4)
馬鹿だよね何度もつぶやく冬茜   家鴨(5)
冬茜発火したかや五十路恋     華松(5)
星飛雄馬花形満寒茜        タケシ(9)
冬茜それでもママはエースキラー  あちゃ(3)

■膝掛(兼題)
膝掛を手足はみだし眠る吾子    華松
膝掛を所望されるか阿弥陀仏    かわうそ(9)
膝掛や小さな嘘をかくしつつ    矢太(8)
膝掛けの大きさにちと不満あり   三三(3)
膝掛けをめぐれば猫や仮眠室    タケシ
膝掛やおからだ大事にまた来ます  孝多(3)
膝掛の加齢臭さえ愛おしく     家鴨(1)
膝掛の脚組み替へてクララ女史   五七(2)
膝掛のすそふれるのにドキドキし  あちゃ(2)
膝掛や返さずにおく句集あり    ねりり(9)
膝掛けの控えめに生く心地して   風歌(4)
老猫をひざかけにして刻ながむ   ミツキング
ひざ掛けとしてコート脱ぐ決まり事 西音寺(1)

■兎(席題)
盃のうさぎが出たり入ったり    西音園(3)
このうさぎ愛でるか食べるか思案中 家鴨
リフトから兎の近さもどかしさ   三三(4)
兎肉食む口元のほくろかな     ねりり(6)
選挙ごと校庭隅のうさぎなで    あちゃ(3)
一周忌形見のうさぎ丸々と     かわうそ(3)
雪赤く染めて身重の兎逝く     矢太(2)
これからもずっとずっとと白兎   風歌(3)
とらわれの身を寄せ合うや兎二羽  孝多(6)
ラビットファー纏う女に騙されて  ミツキング(1)
診療所出で兎狩るナースの眼    五七(2)
馬糞紙の函を覗けば兎の瞳     タケシ(4)
ふかふかと夢と月とに住む兎    華松(6)

■ボーナス(席題)
食洗器ルンバ加湿器ボーナスで   あちゃ(1)
ボーナスで山と買ひたるジャン=ポール・エヴァン ねりり
腰痛も治ったようなボーナス日   かわうそ
ボーナスにぴんとくる人こない人  三三(1)
ボーナスや影踏み帰る自虐かな   孝多(2)
ボーナスと帳尻合わぬ胸積り    華松(2)
ボーナスやタワー今宵より橙    風歌(6)
壁に笑むアグネス・ラムやボーナス日 タケシ(3)
賞与日や戦艦武蔵沈みしまま    五七(2)
ボーナスか猫の咥えているものも  矢太(5)
ボーナスを握りしめ行く仏壇通り  家鴨(5)
家庭内ボーナス制度発足式     西音寺(1)
ボーナスは栃木産だと教えられ   ミツキング(2)


最後までハラハラドキドキのいい戦いでした。
町田での落語会の後に駆けつけてくれた三三師匠のおかげで人数的にも拮抗。俳句会の風雅さなど薬にしたくもない点取り合戦の俗っぽさが、この句会らしさかもしれません。
二次会のジンギスカンには全員参加となり、大いに盛り上がりました。
2017年が皆様にとってよい年となりますように。そして、一同元気に健吟いたしましょう。
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# by go-shichi | 2016-12-25 22:35  

会報Vol.28

五七句会会報通巻28号/2015年/12月発行
日時=平成27年12月26日/場所=喫茶室ルノアール銀座三丁目ビッグスビル店
幹事=五七
出席者=孝太、タケシ、ゼルダ、風歌、文鳥、家鴨、ミツキング、七子、かわうそ、波風、秘事、琴玉、西音寺、五七
二次会合流=温爺、あちゃ

白組:156点(ネット92点+補正64点)
赤組:132点
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人数の少ない白組に与えられた補正点は64点。紅組が大勢力でもってこれを猛追しましたが、白組が必死に振り払って逃げ切り勝利をおさめました。みなさま白組に盛大な拍手を!

天:タケシ36点
地:文鳥30点
人:ゼルダ29点
次点:五七27点

初参加の秘事さんと西音寺さんが新風を吹き込んでくれました。これからもよろしくお願いします。
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■息白し(兼題)
食いぶちを稼がぬ兄の息白し    ミツキング
バス停をめがけ息白さ増す      李
焼き芋屋追いかけ追いかけ息白し 七子
君ひと言僕ひと言や息白し      孝多
匿名で生きられる街息白し      タケシ
歯並びを気にする君の息白し    ゼルダ
また長い長い言い訳息白し      風歌
息白し待ち合わせまであと5分    秘事
見てというあなたの笑顔息白し    西音寺
イルミ前駆け出した君息白し     波風
超うす着街ゆく黒人息白し       琴玉
くちびるの離れて白い息ふたつ    五七
言わぬまま歩く夜道や息白し     文鳥
無精髭伸びし横顔息白し       かわうそ
息白し ブロック塀を 走りゆく      あちゃ

■雪催(兼題)
雪もよい茶屋の地下なる糀室     文鳥
雪催ため息聞こゆ江戸の旅      李
雪催猿山の猿動かざる         五七
雪催我柔肌の酒を汲む         孝多
雪催降れるものなら降ってみろ    秘事
雪催東芝社員の名札伏せ       七子
雪催い地下鉄(メトロ)の温風ホームレス 琴玉
雪催十億円の列みだる         ミツキング
雪催静かに来るこらえ時        波風
雪催宴の淋しさ持ち帰り         ゼルダ
雪催ATMに長い列            かわうそ
粛々と鼻紙たたむ雪もよい       風歌
剥製の虎の義眼や雪催ひ       タケシ
月隠し闇にヒタヒタ雪催         西音寺
雪さわり アイスと言った インド人   あちゃ

■冬木立(席題)
長島の手はポケットに冬木立     五七
自撮り棒出さずに歩く冬木立     波風
すれ違う上級生たち冬木立      秘事
冬木立知らない人を忍ぶ会      風歌
冬木立妻と別れしをとこをり      七子
いささかの過払い金や冬木立     タケシ
冬木立人と人との間かな        孝多
冬木立ひとりぼっちも悪くない     ゼルダ     
冬木立年に二度咲く桜あり       かわうそ
我が庭にいつかコクリコ冬木立    琴玉
冬木立最後の入院見送って      ミツキング
夕焼けと月を従え冬木立        家鴨
あかあかと内覧会や冬木立      文鳥
ひらと雪レースのような冬木立    西音寺

■寒灸(席題)
祖父の膝か細くなりぬ寒灸       文鳥
寒灸にあえぐわたしはしじゅうろく   琴玉
我が骨は誰が拾うや寒灸        かわうそ
鬼太郎が目玉親父に寒灸       五七
ひとり寝の両手両足寒灸        風歌
継母の手はつべたくて寒灸       タケシ
寒灸思考停止だ横になる        孝多
子供らの重しにならぬ寒灸       家鴨
寒灸首筋寒いの早くして        七子
寒灸据えてあげたい中華バス     波風
毒舌がますます冴えし寒灸      ゼルダ
寒灸すえたことなどない息子     秘事
誕生日ケーキの前に寒灸       西音寺
寒灸根性焼きと笑う母         ミツキング

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句会の二次会には似つかわしくない?ベリーダンス。孝多先生、お困り顔です。

# by go-shichi | 2015-12-28 01:16 | 会報